働く同居嫁
昔の職場の先輩たちは結婚しても働いている方が多く、私も結婚しても働き続けたいと思っていました。
出産を機に退職する方が多い中、同じ部署の二人の先輩女性は産休・育休を取って働き続けることを選択されていました。
どちらの方も義両親との同居でした。
先輩Aさんは私の母親くらいの年代の方で、その方の娘さんと私の妹が同じ高校の同級生で仲良くしており、偶然そのことを知るようになってから、妹づたいにその方の家庭事情を聞くことがありました。
繁忙期には終電で帰る日が続くほど、残業が多かった時期もあり、当時独身だった私は他人事ながらも
「主婦の人は夕飯を作らなくても大丈夫なのかなぁ」
と思ったことがありました。
Aさんの家では、家事全般をお姑さんが引き受けていたそうで、子供たちの中では
「お母さんは外で働く人」
という認識だったそうです。
母親が料理を作ってくれたことはほとんど無いが、お金に関しては贅沢させてもらっていた、とAさんの娘さんが話していたそうです。
その話を聞いた私は同居しながらも働き続けられるのは、羨ましいことだなぁと漠然と思った記憶があります。
家に帰りたくない嫁
もう一人の女性Bさんは、お見合い結婚をして同居生活スタートでしたが、
結婚してすぐ聞いた愚痴が、
「料理が苦手だから、私が作った料理に旦那が文句を言う」
という話でした。
結婚してすぐに家事をその先輩に一任されたそうですが、お味噌汁の味もその家の味ではないと、旦那さんから「母に作り方を習ってくれ」と言われたそうです。
元々お嬢様育ちのBさんは家事をやってこなかったようで、特に料理が嫌いでした。
結婚後わりとすぐに妊娠をしたBさんは、身体のことを気遣ってくれる義母が夕飯作りを受け持ってくれるようになったと喜んでいました。
ある時仕事が終わったのに、休憩所に座って帰らないBさんの姿に気付き、体調が悪いのかと声を掛けたことがありました。
定時に仕事を終わっても会社を出ないBさんの姿を毎日見かけたので聞いてみたら、
「早く帰宅すると夕飯を作らなければいけないから、出来上がる時間を見計らって帰るまでの間、時間つぶしをしている」
ということを聞きました。
そこまでして作りたくないんだなぁと思ったのと、
同居しているとこんなことまで気を使うんだなぁ、と思いました。
ある日、Bさんが会社にいる間にお腹が痛くなり、タクシーで帰ることになったのですが、
道中にもしものことがあるといけないからと、自宅方面の地理を知っている私が案内をしながら同乗して帰ることになりました。
切迫早産で入院、そのまま産休に入ることになりました。
その後、無事出産されたことを聞きましたが、私はBさんがあれから家事をどうしているのかなぁと時々思い出しながらも、誰にも聞けずにいました。
結婚前に自分で描く生活
いざ自分が同居をしてみると、働きながら家事は姑にお任せ出来るAさんのような生活が、私の理想とする働き方に思え、
Bさんの家事嫌いな気持ちがとてもよく分かるようになっていました。
ただ、どちらもきっと「同居」でしか味わうことのない苦労があったことは、間違いないだろうと分かります。
Aさんはもしかしたら子供の世話を自分がしたかったかもしれない。
Bさんはその後、家事・育児と仕事の両立に悩んだろうと思います。
同居でも同居じゃなくても、結婚後の生活をどうやって成立させていくか?
話し合うことを全くしなかったし、話し合う必要があることにも気付いていませんでした。
私の場合は、暗黙の了解というか、当たり前のように
「嫁が家事をするもの」
という前提がありました。
そこに疑問を持たなかったし、
「良い嫁」になりたいと必死だった私は、その前提に疑問を持つことすら許されないことのように思い、考えないようにしていました。
幸せな結婚生活、なんていう具体性のない理想ではなく、
結婚・出産・育児・仕事、あらゆるステージで自分がどうしたいか?
夫婦でどういった役割で生活を成り立たせていくのか?
ちゃんと描いて話し合うことが、大切だったなぁと今になってしみじみ思います。
義家族に気に入られるか?良い嫁になれるか?
の心配の前に、「自分がどうしたいか?」を考え抜けていたから、
私は今こうなっているんだな、と思います。
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