子供の手相
時々思い出す、子供が小さい頃の懐かしい出来事のひとつ。
保育園児の頃。
息子はリビングのソファに座ってテレビを見ていました。
その後ろにあるテーブルの椅子に座って、遅く帰って来た夫の夕飯に付き合っていた私は、息子がある番組に見入っているのに気づきました。
それは手相鑑定をしている内容で、自分の手のひらを見ながらテレビの手相と見比べている息子の様子が、後ろから見ていて分かりました。
運命線。感情線。結婚線。
色んな名前が出てくるけど、「生命線」に反応した息子。
息子は自分の手相の生命線が長いことが分かり、隣にいたお姉ちゃんにも見せて!と手のひらを見ました。
息子も娘も、本当に生命線が長いんです。
そのことを知っている私は、私よりもうんと長生きできるわ、と喜んでいるのですが、
実は私の生命線はとても短いのです。
それを自覚している私は、嫌な予感が・・・。
大きくなった今でも長い線
自分の生命線が長く、長生きできる!と喜んでいる息子の様子を黙って見ていた私。
そして、息子が私のところに来ようとしてたので、手相のことは知らないフリして
テレビとは違う方向を見て黙っていました。
「お母さん!お手て見せて!」
と言ってきた息子に、私は手のひらを見せました。
すると息子は、黙ったまま私に抱きついて、声をこらえて泣き出したのです。
きっと、「お母さんの線は短いから、早く死んじゃうんじゃないか?」と思ったのでしょう。
私はその息子の変化を察していましたが、気付かないフリをして「どうしたの?」と聞いたのですが、
「何でもないよ」と泣いている理由を言いません。
私を傷つけてはいけない、と幼心に思ったのか、自分の手相のことも私のことも何も触れずに終わりました。
私は、泣きそうなのをこらえながら、息子の優しさと可愛さが愛おしくて、
大きくなった今でも、この時の情景を思い出します。
見ず知らずの若者に
そんな息子はこの春から就職。
他のお友達よりも一足早く入社式に向かう息子を見送った朝。
意外にも似合っているスーツ姿で車を運転して会社へ行く息子を見て、
ふとこの時の顔がよみがえってきて、
「大きくなってしまったなぁ・・・」
と、嬉しさと少しの寂しさを覚えました。
これから私の見えない世界に出て行く息子の変化を、リアルタイムで確認することが少なくなっていくと思い、何となく、
「この光景も覚えていよう」
と思った息子の背中でした。
初心者マークの車を運転する若者を見ると、少し優しい気持ちで見てしまう。
全然知らない人なのに、「気を付けてね」と思ってしまう。
フレッシャーズと思われる若者を見ると、ついつい心の中で応援してしまう。
こんなオバサンは私だけではないはずで、
きっとどこかの誰かに、息子もそう思ってもらえているかもしれない。
そう思うと、色んな人に感謝したくなる春です。
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